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不動産業界のDXってどうなの?

最初に

中小企業診断士、宅地建物取引士の大石と申します。宜しくお願い致します。

この記事では、

  • これから不動産業界で働く!
  • これから不動産業に進出したい!
  • とにかく不動産業界の現状を知りたい!

という方に向けて、「不動産業界のDX事情」を現在も不動産業に従事している私、大石が解説します。

本記事ではDXをデジタル化と定義し、私の経験してきた不動産仲介業、不動産管理業に焦点を当てて解説します。

実際の現場での経験を基に解説しておりますので、一つの参考事例としてお役立ていただけると思います。

結論

不動産業界のDX、遅れてます

どうしても現場に行くことが必要なケースも多いため、全ての業務をデジタル化することは難しい業界ですが、今後一層DX化が進んでいく業界であると考えます。

現状

総務省から発表されている令和3年版情報通信白書によると、不動産業、物品賃貸業に属する企業の76.8%がDXへの取り組みを実施していないと回答しています。(実施していない、今後実施を検討が20.8%・実施していない、今後も予定なしが56.0%)

この数字は、他業種と比較してもその他を除く23業種のうちワースト7位の数字となっており、不動産業界のDXへの取り組みは遅れていることがわかります。

課題

では、なぜ不動産業界のDXは遅れているのでしょうか?課題として、大きく以下3点が挙げられます。

  • 1.業態の課題
  • 2.文化の課題
  • 3.人材の課題

まず、1点目の「業態の課題」ですが、設備の確認や修繕対応など、有事の際には現場に行かなければならないケースが多いことが挙げられます。ウェブ上で対応を完結することが難しい業態であるため、DXが進んでいないと考えます。

次に、2点目の「文化の課題」ですが、未だにFAXでやり取りをすることも多く、紙文化が根強く残っています。これは、宅地や建物は高額で人の暮らしに密接に関わる重要な契約であるため、宅建業法上”書面”での交付が長らく義務付けられてきたという背景が原因となっていると考えます。2021年の宅建業法改正により、既に電子書面での交付が可能となっているものの、この影響が残っているのが現状です。

最後に、3点目の「人材の課題」ですが、そもそもDX化を推進できる人材が少ないという現状があります。特に、不動産仲介業では高い営業数字を残すことのできる人が評価される傾向にあるため、デジタル化などの数値化しづらいスキルが軽視されやすい環境であることも原因であると考えます。

取り組み

課題がある一方で、進んでいる取り組みも多くあります。ここでは大きく3点の取り組みを紹介します。

  • 1.IT重説
  • 2.VR内見
  • 3.システム導入

まず、1点目の「IT重説」ですが、不動産仲介業者は不動産契約の前に重要事項説明を行う義務があります。この重要事項説明(以下重説)を、対面でなくテレビ電話など顔が見える非対面の状態で行うことをIT重説と呼んでいます。2017年10月の解禁当初は不動産賃貸契約のみ可能でしたが、2021年3月より、不動産売買契約においても重説を行うことが可能となりました。また、従来書面での交付が義務付けられていた重要事項説明書を電子交付することも、2022年5月より可能となりました。不動産契約の非対面化書面のデジタル化の取り組みが進められています。

次に、2点目の「VR内見」ですが、不動産の内見を現地でなくウェブ上で行う取り組みになります。不動産ポータルサイトなどで徐々に増えつつあり、大手不動産会社を中心に導入が進んでいます。現地に行く手間を省くことで効率よく内見することができ、見落としてしまった箇所もあとから確認することができるというメリットもあります。

最後に、3点目の「システム導入」ですが、主に入居申込や不動産賃貸管理をウェブ上で行う取り組みになります。従来FAX等の書面で行われていたやり取りをウェブ上で行い、記録も残すことで、書面のデジタル化作業効率化を図る取り組みが進められています。

今後の展望

今後の展望として、AI利活用が進んでいくと考えられます。不動産業界では、物件紹介文や契約書作成などの文章を書く場面や、不動産価格の査定顧客の管理問い合わせに対する自動応答など、AI利活用が見込まれる場面が多く存在します。大手不動産会社を中心にこの流れは既に始まっており、営業を継続するうえで中小企業も対応を迫られる場面が増えていくことが予想されます。

まとめ

不動産業界のDXは他業界と比較して遅れていますが、今後一層DX化が進んでいく業界であると考えます。作業の効率化、システム導入にお困りの方は、ぜひ弊社にご相談ください。お読みいただきありがとうございました!

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